【ジャズギター】フルアコにフラットワウンド弦を張るべき!……なのでしょうか?【弦選び】

こんにちは!
弦の話って結構ギタリスト同士で盛り上がれるよなー、と最近改めて思ったりしてるジャズギタリストの満田です!
過去にも何度か弦に関するお話をしておりますが、今回はフラットワウンド弦を中心にお話していこうかと思います。

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フラットワウンド弦とは?

一般的にエレキギターに用いる弦はラウンドワウンドというタイプの弦で、巻き弦を触ってみるとザラザラ、あるいはギザギザとした感触があります。対してフラットワウンド弦は巻き弦の表面が平でツルツルしています。

フラットワウンドはラウンドワウンドに比べて丸くサスティーンの短い特徴を持っています。
イメージとしてはウッドベースやチェロを指で弾いた時のような「ボンッ!」という感じの出音です。
低音の成分が強くサウンドも丸い、ということで専らフルアコに張ってジャズで使われております。
特に元々このタイプの弦が使われていたモダンジャズのスタイルでは非常に人気な組み合わせですね!

実際のところどうなの?

個人的にフラットワウンド弦は非常に扱いが難しい弦だと思っております。
というのも、フラットワウンドは前述の通り低音が強いのですが、これをフルアコに張ると元々大きい低音が更に強調されるので下の方がやたらとモコモコして厚いサウンドになっちゃうんですね。
ソロギターや歌伴では丁度良かったりもするんですが、コンボでの演奏で普通にコードを弾くとまず間違いなくベースと喧嘩になります。
省略形のコードで上手いこと立ち回れば問題ないのですが、逆にそうした立ち回りが要求されやすい弦であるとも言えますね。
フュージョン以降のジャズで見られるリフを弾くプレイ等でも今ひとつ抜けが良くないなど、サウンドの変化と共に弱点も生まれています。

また、個人的にフルアコの箱鳴りはフラットワウンド弦よりもラウンドワウンド弦の方が出やすいと感じています。

じゃあ弦としてはオススメじゃない?

いいえ、そんなことはございません。
先ほども軽く触れましたが、フルアコ+フラットワウンド弦という組み合わせはモダンジャズ期のギタリストに使われており、そのスタイルにおいてはまさにドンピシャ!というべきサウンド!
なのでモダンジャズを中心に演奏されたい方には「フルアコ+フラットワウンド」という王道セットはオススメです!
何よりラウンド弦とは音色の性質がまるで違うので、フラット弦の音の方が好きなのであればフラット弦を使うべきでしょう。

また、前述した”箱鳴りはラウンド弦の方が出やすい”という部分に関してですが、逆に言えば過剰な箱鳴りを抑える目的でも使えるということでもあります。
箱鳴りをカットしたい場合の選択肢としては最も手軽で確実な手段ですね。

 

しかし実はもっとお伝えしたいことがあって……⬇︎

 

ソリッドギター+フラットワウンド

これが本題!

フラットワウンド弦でオススメしたいのはこの組み合わせなんです。
一時期レスポールタイプやテレキャスタータイプにフラットワウンド弦を張ってモダンジャズのセッションに参加していました。

これが中々良いんですよ〜!

フラットワウンド特有の篭ったサウンドの中にパリッとしたソリッドギターならではの芯が加味され、非常に丁度良い具合のサウンドになります。
正直フルアコに張るよりもしっくり来ましたね。

また、ソリッドならではのやや硬質な成分も程よく残っており、更にフラットワウンド弦特有のサスティンの短さが歯切れに繋がるので、意外にもカッティングやブリッジミュート混じりのリフなどを演奏する時にも良い塩梅のサウンドが得られたりします。
歪ませた時のサウンドメイクが若干難しくなるという弱点こそありますが、モダン以外のスタイルにも対応しやすい面白い組み合わせだと思います!

※マイク・スターン(Mike Stern)氏のようにピックスクラッチが大好きな方は弦の特性上一切出来なくなるのでご注意!笑

 

セミアコ+フラットワウンド

上記のソリッドギターよりももう少しだけエアリーな成分が欲しくてこれも一時期使っていました。
セミアコはまさにフルアコとソリッドギターの中間のような存在なので、この辺りから感触を確かめていくのもアリですね!
フルホロウボディのEpiphone Casinoのようなタイプだとよりフルアコ寄りのJazzyなサウンドが得られそうで面白そうです。

 

D’Addario ECG25 + Elixir プレーン弦

因みに私はフラットワウンド弦を使う時は6~3弦の巻弦のみD’Addarioのセットを使い、プレーン弦である2弦と1弦はElixirのものを張っています。
巻弦とプレーン弦の耐久性を揃える意味合いもありますが、Elixirのテンション感が比較的ジャズ向きだと感じているのが理由としては大きいです。
同じゲージでも若干ですがElixirの方が太くJazzyな音がしますね。

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満田的フルアコの弦選び

参考程度に私がフルアコを使う時のお話も詳しく致します。
先ほども述べた”箱鳴りが出やすい”という理由から、基本的にはラウンドワウンド弦をセットしています。

Elixir NANOWEBシリーズの012-052のセットです。
Elixirを選んでいるのは耐久性も勿論あるのですが、音色が比較的ジャズ向きだからという理由もあります。
このセットがデフォルトで基本的には変えることはないのですが、ライブの際は編成やセットリストによって時々弦を変えることがあります。
因みに3弦は巻弦になります。

D’Addario ECG25の巻弦 + Elixirのプレーン弦

まずはシンプルに先ほどご紹介した組み合わせ。
デュオやドラムレストリオでスタンダードナンバー中心の演奏になる時はこれを使っていたこともありました。
最近はモダンジャズスタイルでもラウンド弦の方を好んで使うのでこの組み合わせをフルアコで使うことは減ってしまいました。

Elixir 12152 + D’Addario ECG25の3弦

ラウンドワウンドのセットで3弦だけフラットワウンドにする組み合わせ。
ギタリストの皆様なら共感を得られるのではないかと思うのですが、エレキギターの3弦ってめっちゃシビアなんです……。
プレーンだと強過ぎたり、ラウンド弦だとちょっとパンチが足りないこともあったり……。
フラットワウンドの3弦はプレーンとラウンドの間辺りの感触が得られる弦だと感じているので、調整用の弦として使うことがあります。
と、尤もらしいことを言っていますが3弦フラットワウンドのアイディア自体は湘南が誇る世界的なギタリスト、小沼ようすけ氏の真似ですw

Elixir 12152 + D’Addario ECG25の6,5弦

フラットワウンド弦のセットでフラット弦の感触が欲しいのは主にベースとなる6弦と5弦なので、そこをフラットワウンドにするセット。
ソロギターの他、ベースラインまで含めたバッキングの役割が多くなるデュオ編成で重宝しています。
また、前述の理由で更に3弦もフラットワウンドに変えることがあります。
このアイディアも小沼ようすけ氏を参考にしています。

6弦をブラックナイロン弦に

やったことないけど小沼さんが言ってた。

ざっくり要約すると小沼氏は「弦と両手のニュアンスでサウンドメイクをする」という旨をお話されており、求めるサウンドに合わせて弦を頻繁に交換しているそうです。
上記の部分的にフラットワウンドを張ったり6弦をブラックナイロンにしたり、というのもそのお話の中で紹介されていたアイディアでした。
この6弦ブラックナイロンのアイディアはまだ試したことがないので、いつか試してみたい組み合わせということで……。

感触が良かったらその際は改めてご紹介させて頂きます!

余談

今お話したように、思い切り小沼さんの真似で巻弦を演奏に合わせて交換することがあるので、フルアコのケースにはいつもフラット弦が入っています。

しかし新品ではなく開封済み、というか使用済みのものです。
というのも大体の場合はライブのために1日だけ張ってすぐにラウンドのセットに戻す、という感じなので一度張っても使用時間は非常に短いんです。
で、それで捨てるのもなんか勿体無いしフラット弦は結構長持ちするし……って感じで使った弦は捨てずにそのままストックとしてケースに入れてあります。
フルアコのテイルピースは基本的にトラピーズタイプで弦を先端から通す必要がなく引っ掛けるだけなので、使用済みでも交換が難しくないですし。
個人的には張りたてよりも少し弾き込んだ後のフラット弦の方が好きなので、一時的に張り替えるだけならこっちの方が良い感じがありますw

まあ流石にダメージの蓄積があるのでそう何度も使いまわせる訳ではありませんが……。

フラットワウンド弦はそこそこ長持ちするので、お試しや一度の演奏の為だけにフラットワウンドのセットを買うのも高いなぁ、とご心配の方も何度か使い回す前提で買われてみてるのも良いのではないかと思います。

総括

ジャズギターを始めるにあたりよくオススメされるフラットワウンド弦ですが、ジャズそのもののスタイルが広くなった現在では必ずしも「ジャズ=フルアコ+フラットワウンド」ではありません、というお話でした。

現在ではソリッドギターやラウンドワウンド弦の人気も非常に高いので、タイプに惑わされず各々の目指すプレイスタイルに合わせて好きな弦を選んで頂くのが一番良いと思います!
使用弦を含め機材のセッティング情報を公開しているアーティストも沢山いるので、そういったところから真似してみるのもひとつのポイントになるでしょう。

因みに私は憧れのリー・リトナー(Lee Ritenour)氏がD’Addario EXL110愛用者と知り、「10-46であんなに深い音を出すのか……」と現実から目を背けたくなりましたw

最後までご覧頂きありがとうございました!

 

パプリカミュージック
満田

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