【ジャズギター】オーバードライブ選びに悩む。【歪みエフェクター厳選】

こんにちは!
ウォームなオーバードライブが大好きなジャズギタリストの満田です!
ギタリスト同士でお話する時に常に話題に上がる歪みエフェクター……。今回はその歪みエフェクターについて個人的な見解をお話したいと思います!

 

歪みエフェクター選びの難しさとは

歪み(に限りませんが)エフェクター選びって大変なんですよね。音色が好みと合致するかどうかというポイントから始まり、コントロールの利便性、各ギターや各アンプとの相性、スイッチの踏み心地、等々……。
様々な選定基準がございますが、やはりなんと言ってもサウンドがポイントでしょうか。

歪みエフェクターと一口に言ってもその音色はまさに千差万別で、最早定番機種だけでも一体いくつあるのか!?という規模のカテゴリです。
端から端まで語るなんてことは到底できませんので、今回は私がメインに活動しているジャズ分野における歪みエフェクター選びをお話しようと思います!

 

歪みエフェクターの種類

一応重要な事項なので簡単に歪みの分類に触れておきます。

あまりに数が多過ぎて最近ではTS系のような具体的なモデル名を含んだ「◯◯系」というカテゴライズが主流になりつつありますが、ひとまずざっくりと「オーバードライブ」「ディストーション」「ファズ」の3種類の歪みがあると覚えておけば大体OKです。

原理的な意味で分けると「オーバードライブ&ディストーション」と「ファズ」の2つに大別されるでしょうか。

オーバードライブとディストーションはアンプに負荷をかけたサウンドを模倣した形が基本となっています。オーバードライブよりもディストーションの方が荒々しいというのが一般的な共通認識になっていますが、原理的には明確な違いはないらしく、まとめて一方の名称で呼ぶ方もいらっしゃいます。

ファズは上記2種類とは異なる原理で生み出される歪みで、付加される倍音成分などの影響で非常に独特な歪みサウンドを特徴としています。ファズという名称は”毛羽立った”、”ぼやけた”などを意味するFuzzyという語から来ており、サウンドのイメージも概ね合致します。

因みにオーバードライブは”負荷”を、ディストーションは”歪み”を意味しています。

 

歪みエフェクターの選び方

エフェクター選びの基本はまずは定番機種から試すことです。試した中から一番気に入ったサウンドのものを選び、それと近い系統の機種を更に試していく……という流れになりますね。

歪みエフェクターの場合はオーバードライブ、ディストーション、ファズ、それぞれの定番機種を一通り試してみましょう!

 

ジャズギタリスト的歪みチョイス

以下、私の好みがベースのお話になることをご了承くださいm(_ _)m

私が最も理想とするサウンドのギタリストはリー・リトナー(Lee Ritenour)氏です。極上のクリーントーンで知られるリトナー氏ですが、実は結構深い歪みサウンドでの演奏も多く、私はその歪みサウンドが大好きなんですよね。
ということでジャズ・フュージョンを本格的にやり始めた頃に彼の使ってる歪みペダルを調べてみたんですね。
その結果Rodenberg GASシリーズのシグネチャーモデルのオーバードライブを使用していることが分かりました。

当時の私(16)「大体9万円くらいか、へぇ〜……?」

……
…………
「諦めよ(・ω・)」

まあ、気軽には買えませんねw (というかそもそも国内では殆ど流通していませんでした……。)
Rodenbergは非常にクオリティが高いペダルで、高級な部類のエフェクターになります。特徴としては原音を損なわないこと。リトナー氏もそこに強く拘ったようです。
本人と同じものは流石に買えませんでしたが、探すペダルの方向性は決まりました。ずばり先ほどのRodenbergの特徴と合致する、原音を損なわないオーバードライブです。

 

選んだ歪みエフェクター

 

原音を損なわない歪み、言い換えると自然な歪みとして定番なタイプはTS系とブースター系でしょうか。TS系のTSとはTube Screamer(チューブスクリーマー)の略で、TS9を始めとしたIbanez TSシリーズの名器を元にしたモデルのカテゴリです。
ブースター系はよく「〇〇ブースター」のような名前がついている、その名の通りのブースターペダルです。ブースター系については後述するので、まずはTS系からご紹介。

TS系の特徴はややミッドに寄ったサウンドです。サウンドバランスに偏りがあるので原音から変化してしまうように思えますが、ギターのサウンドの美味しいところはミッドレンジにあるので極端なセッティングをしない限りは原音の良いところを損なうことはありません。
私が尊敬するギタリストだと、故チャック・ローブ(Chuck Loeb)氏がIbanez TS9を、マイク・スターン(Mike Stern)氏がBOSS SD-1を愛用していたのが印象に残っています。

 

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オーバードライブ

【中古】BOSS SD-1 Super Over Drive

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この2つを弾き比べた個人的な感想ですが、TS9の方がよりミドルの性質を感じるサウンドで、独特のウォームな感触があります。方向性が割と分かりやすいので、比較的音作りはしやすい部類だと思います。
一方、SD-1の方はTS9より少しレンジが広くそこそこ自由にサウンドメイクができる代わりにセッティングが割とシビアな印象がありますね。

どちらかと言うとTS9のウォームな感じの方が好みだったので、基本的にこれの方向性で探すことにしました。

TS系とされる歪みを細かく覚えていないほど色々試しましたが最終的に辿り着いて今現在も使い続けているのがFulltoneのRobin Trower Overdriveです。

 

Fulltone Robin Trower Overdrive

ブルースロックやサイケデリックロックにおける分野でジミヘンの再来と評されたギタリスト、ロビン・トロワー(Robin Trower)氏のシグネチャーオーバードライブです。Fulltone OCDをベースとしたペダルのようで、やはりミドルに特徴があります。
Robin Trower Overdriveは太くウォームな歪みですが、原音のニュアンスも弾いていてしっかりと感じるので非常に気に入っています。

 

その他の気に入った歪みエフェクター

現在のメインは前述のFulltone Robin Trower Overdriveですが、その他にも愛用しているペダルや過去に使って気に入ったペダルがあるのでご紹介致します!

 

Ibanez TSMINI TUBE SCREAMER MINI

¥8,800

Tube Screamerのミニサイズバージョン!
単なる小型化TSではなく、ファンならみんなご存知のオペアンプ「JRC4558」を採用していたり、トゥルーバイパス化されていたりと、このモデルならではの強みがあります!
TS9と比較するとややレンジが広めだったような印象があります。

 

Xotic AC Booster

ブースター系のオーバードライブですね。
原音をそのままブーストアップしたような自然な音色が大変魅力的です!クランチ気味の歪みサウンドが欲しい時はまず真っ先にこれを使いたくなりますね。
RC Boosterという兄弟機種もあります。

余談ですが、リー・リトナー氏もこのシリーズが好きなようで、BB Preampという機種をボードに組み込んでいました。自身のシグネチャーのL-5が比較的新しい個体のため、ヴィンテージのL-5と出音の感触が違うことに悩んでいたところ、Gain 0の状態でBB Preampを繋いでみたら音が古臭くなって良い!と気に入ったそうですw

 

MAD PROFESSOR Sweet Honey Overdrive

こちらはダンブル系と呼ばれるオーバードライブです。
ダンブル系とは非常に優れたアンプとして名高いダンブルアンプのようなサウンドで鳴らせるペダルの総称です。概ねの特徴としてはナチュラル且つクリアな歪み。
このSweer Honey Overdriaveもその名の違わぬ甘いサウンドで、Gainを振り切ってもギリギリクランチと呼べそうなほどのクリアでナチュラルなオーバードライブになります。
個人的にはセミアコをクランチで弾く際はこれがドンピシャだと思っています。Les Paulとの相性も良さそうですね!
私は単体で使うメインの歪みペダルとして気に入っていますが、ブースターとして味付けに使っても素晴らしい働きをしてくれるのではないでしょうか。

 

※近日商品ページを公開致します🙇‍♂️

 

JOYO JF-36 Sweet Baby Overdrive

先ほどのSweet Honey Overdriveの廉価コピーモデルにあたります。ネーミングセンスがなかなかツボですw
基盤がほぼ同じなので基本的な仕様も同じなのですが、使われるパーツの違いからか実は結構サウンドに差はあります。差と言っても単純にグレードの違いによる良し悪しだけではなく、こちらにはこちらの魅力と言えるものがあり、弾き比べた結果こっちの方が好きだと仰る方も少なくはありません。
比べてみるとコピー元の方がややダークな部分も持ち合わせているのに対し、こちらは少し明るめな印象です。

アコースティック主体で歪み成分を抑えたいアンサンブルではこれをメインに持ち出すこともあります。
また、これを2台セットしてメインとブースターに分けるのも結構好きな使い方です。廉価モデルだからこそ簡単に2台揃えられるのもこちらのメリットですねw

 

ProCo RAT2

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ディストーション

【中古】ProCo RAT2 Made in U.S.A.

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ジャズ界隈ではジョン・スコフィールド(John Scofield)氏が愛用していたことで有名なディストーションペダルですね。太く乾いた歪みで、まさにジョンスコのような枯れたサウンドにドンピシャ!ブルース寄りのサウンドに傾倒してた頃にこれをメインで使っていました。
手放してしまいましたが今でも時々使いたくなるので、そのうちまた買うかもしれません。

因みにジョンスコ感を出したい場合は、Rat側のFilterはほぼ絞らず、ギター側をリアピックアップにセットしてトーンを4~5くらいに絞るとそれっぽくなると思います。より近付けたいのであればギターはセミアコかテレキャスで!
アルバム”Loud Jazz”辺りのサウンドを意識するなら深めのコーラスも掛けてあげると良いでしょう!
最後はピッキングニュアンスで勝負……ですね(超鬼門)。

 

総括

はい、という訳で歪みエフェクターのお話でした。
原音やニュアンスといった言葉を多く使いましたが、やはり個人的には弾いたイメージがそのままサウンドになってくれる歪みエフェクターをオススメしたいですね。クリーンサウンドで弾いた時に「歪ませるとこういうサウンドになるんだろうな」というイメージと同じ音色が出せるのが理想です。
クリーンサウンドを作る段階から既に歪みのサウンドメイクは始まっているのです!

この話の続きとして、細かいセッティングなどのもうちょっと掘り下げた話もいずれさせて頂ければと思います!
最後までご覧頂きありがとうございました!

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