ピックとは?

ギターやベースなどの弦楽器は指や爪で弾くことも出来ますが、金属の弦が張られたギターを爪で弾くと爪が削れていきます。かといって指で弾くとどうしても音がこもってしてしまい、曲の雰囲気に合わない場合があります。そんな時に爪の代わりに明るく抜けの良い音で弾けるようにしたのがピックです。

ピックを選ぶ時に押さえておきたい3つのポイント

楽器店に行くとかわいいピックやちょっと面白いピック(標識とか)があって選ぶのに困ってしまう、という方、もちろん見た目も大切ですが、演奏するという観点からピックを選ぶ時に頭に入れておきたいポイントは以下の3つです。

  • 厚さ
  • 素材

この3つは演奏性や音色にとても深く関わってきます。
プレイスタイルに合った適切なピックを選んであげることで今まで弾きにくかったフレーズが弾きやすくなったり、今までよりも良い音が出るようになったりします。

POINT1 形

厳密に言うと様々な形のピックがありますが、ポピュラーな形は以下の3つです。

ティアドロップはその名の通り涙の形をしている、もっともポピュラーな形です。
どんなジャンルにも使える汎用性の高さが魅力で、弾き語りからリードプレイまで、様々なスタイルでの使用が見られます。
トライアングルは比較的大振りなのでコードストロークがメインのプレイヤーにオススメ。
頂点(=ピッキングポイント)が3箇所あるためティアドロップの3倍長持ち!という理由で使う方もいらっしゃいます。
スモールティアドロップは速弾きなどのテクニカルなプレイをするプレイヤーに愛用者が多いです。
また、スモールティアドロップの代表的なピックにJim Dunlop Jazz IIIというモデルがあることからジャズ型という別名もありますが、単音弾きのしやすさからロック系のギタリストにも非常に人気があります。

POINT2 厚さ

ピックにはメーカーのロゴや絵が書いてあることが多いですが、よーく見てみると同じ形なのに.80mmや1.0mmという記載があったりします。(無いタイプもあります)これがピックの厚さです。

  • 薄め(Light、Thin) ~ .70mm
  • 普通  (Medium、Regular) .70mm ~ 1.0mm未満
  • 厚め  (Heavy、Hard、Thick) 1.0mm以上
  • 極厚(Extra Heavy、Extra Hard) 1.25mm以上

薄めのピックは弦を弾く際にピック自体がしなるので必要以上に弦に力が加わらず、比較的低音の押さえられた音が出ます。
逆に厚めのピックは弾く力を余すことなく弦に伝えるので、力を込めるとかなり太い音が出ます。
形状や素材によって差異はございますが、一般的には薄い方がコードストローク向きで、厚い方が単音弾きに向いているとされています。

POINT3 素材

最後のポイントはピックの素材です。こちらも中には鼈甲(本物)や金属、アクリルなど様々な素材で作られたピックが存在しますが、多い素材は以下です。

  • セルロイド
  • ウルテム
  • デルリン

セルロイドはもっとも多くのピックに使われている素材です。
ウルテムは飴色っぽい色の素材で、爪に近い音の出る素材として有名です。
ちなみに僕はウルテムの音が好きでずっとウルテムを使用してました。
デルリンは少し柔らかめの素材でギターのナットなどにも使用されています。

ピックの選び方

それでは今までの3つのポイントを踏まえて実際にピックの選び方を考えてみましょう。

前述のようにピックには形、厚さ、素材で異なる音色を生み出します。
それによりジャンルや奏法における向き不向きがあるのです。
即ち、演奏したい音楽の方向性が決まっていると、ピックの選択肢も絞り込みやすくなるということです。
いくつか例を見てみましょう!

1. アコースティックギターで弾き語りがしたい!

弾き語りの場合はピックによるコードストローク及びフィンガースタイルによるアルペジオのプレイスタイルが基本になります。
コードストローク中心の方に人気なのはトライアングルでしょうか。
硬さに関しては、複雑な単音弾きはしないこと、そして歌声の通しやすさを意識してギター側の音色をスッキリさせたいということを踏まえ、柔らかめのピックを選ぶことが多いです。
また、フィンガースタイルとの音色の差を少なくしたい、という狙いからウルテム系のピックが好まれる傾向にあります。ということでアコースティックギターの弾き語りでオススメなピックは

  • トライアングル
  • Light ~ Medium
  • ウルテム

の条件に当てはまるピックになりますね!代表的なものはこちら!

ロックと一口に言っても様々ございますが、やはりなんと言っても大迫力の歪んだエレキギターのサウンド!
リードプレイを中心に行いたい場合は速弾きなども考慮してスモールティアドロップタイプのピックを、リードもバッキングも幅広くという場合はティアドロップを選ぶことが多いです。
サウンドの迫力が欲しいので、厚さはミディアム以上のものを用いてピッキング時のアタック感を出します。
素材は、やや硬めの感触の方が弾きやすいことから、セルロイド系が好まれるのではないでしょうか。ということでまとめると、ロックギターにオススメなピックは

  • ティアドロップ or スモールティアドロップ
  • Medium ~ Heavy
  • セルロイド系

の特徴に当てはまるピックになります!代表的なピックは以下の通りです。

特定のジャンルに絞らず色々やりたい方や、まだ目指す方向性が定まっていない方など、幅広く演奏してみたい場合。
汎用性の高さが求められるので、コードストロークも単音弾きも平均的に熟せるティアドロップ型がオススメです。
様々な演奏スタイルが求められるスタジオミュージシャンも、細かな形に差はあるもののティアドロップサイズを基準にしたモデルを使っている印象です。
素材に関しましては、3種それぞれの長所があるので好みで選ぶのが良いでしょう。
肌に吸い付きやすくグリップ性の良いセルロイド、爪に近い感触で柔らかく暖かい音色のウルテム、そしてその中間のような特徴のデルリン、といったところでしょうか。以上をまとめると、幅広い演奏をしたい方にオススメのピックは

  • ティアドロップ
  • Medium or Heavy
  • 素材はお好みで

ということになります!代表的なピックは以下の通り!

まとめ

以上、ピックの選び方講座でした。
3つのポイントを中心に解説致しましたが、やはり見た目が気にいるかどうかも重要なところ!
見た目も使い心地もドンピシャなお気に入りの一枚が見つかるよう、このコラムが手助けになれば幸いです。